2017年4月に向けて、社会保険加入指導が強化されています
国交省が策定した社会保険の加入に関する下請け指導ガイドラインには、「適切な保険に加入していることを確認できない作業員については、元請企業は特段の理由がない限り現場入場を認めないとの取扱いとすべきである」と明記されています。
適用除外承認を受けて加入した建設国保は「適切な保険」で、現場入場が可能です あらためて協会けんぽに入る必要はありません
社会保険(雇用、医療、厚生年金)は事業所規模や就労形態(雇用または請負)によって入るべき保険が異なります
所属する事業所 | 就労 形態 | 労働 保険 | 社会保険 |
「下請けガイドライン」における「適切な保険」の範囲
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事業所の 形態 | 常用労働者の数 | 雇用 保険 |
医療保険 (いずれか加入) |
年金 保険 | |||
法人 | 1人 | 常用 労働者 | 雇用 保険 |
協会けんぽ 健康保険組合 適用除外承認を受けた国民健康保険組合(建設国保等)
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厚生 年金 | ⇒ |
3保険 雇用、医療、厚生年金 |
― | 役員等 | ー |
協会けんぽ 健康保険組合 適用除外承認を受けた国民健康保険組合(建設国保等) |
厚生 年金 | ⇒ | 医療保険、 厚生年金 | |
個人 事業主 | 5人 | 常用 労働者 | 雇用 保険 |
協会けんぽ 健康保険組合 適用除外承認を受けた国民健康保険組合(建設国保等) |
厚生 年金 | ⇒ |
3保険 雇用、医療、厚生年金 |
1人~4人 | 常用労働者 | 雇用 保険 |
国民健康保険 国民健康保険組合(建設国保等) |
国民 年金 | ⇒ | 雇用保険(医療保険と年金保険は個人で加入) | |
ー |
事業主 ・ 一人 親方 |
ー |
国民健康保険 国民健康保険組合(建設国保等) |
国民 年金 | ⇒ | 医療保険と年金保険は個人で加入(一人親方は請負としての働き方をしている場合に限る) |
◎法人事業所および常時5人以上の従業員がいる個人事業所に雇用されている方の場合、健保適用除外承認を受けて建設国保に加入し、雇用保険、厚生年金に加入していれば、従来どおり現場入場可能です
◎個人事業所(常用労働者数5人未満)に雇用されている常用労働者の場合、雇用保険は事業主の義務により加入、建設国保と国民年金は個人での加入となります
◎個人事業所の事業主・一人親方は建設国保と国民年金を個人で加入します
適用除外承認を受けて加入した建設国保は「適切な保険」です!現場入場にあたり、あらためて協会けんぽに入る必要はありません!
国交省が進めている建設業の社会保険(雇用、医療、厚生年金)未加入対策をめぐっては、作業員の現場入場規制の解釈をめぐり、2016年10・11月に国会議員から政府へ質問趣意書の提出が相次ぎました。
これを受け国交省は2016年12月5日、「建設業における社会保険への加入の徹底に係る注意点について」の事務連絡を出しました。
この中には
「適切な保険」については、雇用する企業の法人と個人事業主の別や規模等により加入するべき保険は異なり、全ての者が同じ保険に加入しなければならないわけではありません。
健保適用除外の承認を受けて国民健康保険組合に加入している者について
年金事務所で必要な手続きを行い、適法に国民健康保険組合の被保険者となっている場合、あらためて協会けんぽの被保険者となる必要はありません。
と明記されています。